私の好きなイラストレーターさん

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私の好きなイラストレーターさん


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私がイラストを学ぶ上で、尊敬している海外のイラストレーターさんを何名かご紹介しようと思います。

今日は、アメリカのイラストレーター マーク・テディン氏 ((マーク・テディーン) Mark Tedin) です。

マーク氏は主にカードゲームの マジック・ザ・ギャザリング において多くのカードイラストを手掛けている人物として有名です。











彼を語るストーリーの導入部として、少しだけ別のお話から。

初期の日本産のカードゲームで最も有名なものといえば、なんといっても 遊☆戯☆王 オフィシャルカードゲーム でしょう。

キャラクターバトル物のカードゲームでは、アメリカのマジック・ザ・ギャザリングや、その後日本で作られたモンスターコレクションなども有名ですが、遊☆戯☆王 オフィシャルカードゲーム の凄いところは、「世界で最も販売枚数の多いトレーディングカードゲーム」 としてギネス・ワールド・レコーズにしっかり認定されている点です (2009年7月認定)。




それほどまでに有名になった遊戯王カードゲームですが、初期の頃のカードルールには当時の海外のカードゲームのルーリングをそのまま参考にした物が数多くあります。

同時に、カードイラストも当時バトルカードゲームで世界最大手だったマジック・ザ・ギャザリングのオマージュとも見られるイラストのカードがいくつか作られました。



中でも最も有名なのが デーモンの召喚 でしょう。



デーモンの召喚
(C) 1998 - 2000 BANDAI Co., Ltd All Rights Reserved.

これは、のちにコナミからパッケージ版のカードが発売される前に、バンダイからカードダス版として発売されたカードのものです。

『デーモンの召喚』 は、原作漫画内においては主人公武藤遊戯の初期の頃のブラックマジシャンと並ぶ最強カードの一つであり、読者人気はもちろん、カード自体の人気も非常に高いカードです。

その後、遊戯王カプセルモンスターズシリーズなどの派生作品が次々と作られた時も、このデーモンの召喚が必ずと言っていいほど組み込まれていた点を見れば、如何にこのカードが人気だったのかが伺えます。







・・・さて、大分話がそれてしまい、マーク・テディン氏そっちのけになってしまいましたが、実はこのデーモンの召喚のイラストに氏が大きくかかわっているのです。

実は、1993年11月に発売された マジック・ザ・ギャザリング のカードセット 『アンリミテッド』 に封入された 奈落の王 というカードが、このデーモンの召喚のイラストのモデルになっており、何を隠そうその奈落の王のイラストを担当した人物こそが、今日のお話の主役である マーク・テディン氏 なのです。




デーモンの召喚というカード一枚で十分に分かる通り、マーク氏のイラストといえばオドロオドロしいクリーチャーちっくな彫の極めて深い絵が特徴です。

マジック・ザ・ギャザリングにおいては、2011年現在までに約80種類以上ものカードセットが発売されてきましたが、マーク氏はその記念すべき最も最初の 『リミテッド・エディション』 の発売当時から活躍していらっしゃいます。

日本では一般に、『アルファ』 『ベータ』 という名前で知られているカードセットのことです。





その他にも、マーク氏は170枚以上のマジック・ザ・ギャザリングのカードイラストを担当してきましたが、有名なところでは、


ネクロポーテンス/Necropotence

ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk

魔力の櫃/Mana Vault

真鍮の都/City of Brass

Mana Drain

冬の宝珠/Winter Orb

Timetwister

Time Vault


などなどの、当時の構築環境に多大な影響を与えたパワーカードのイラストをいくつも担当なさっています。

マジック古参のユーザーなら、当時ほぼすべてのデッキに投入され猛威を振るっていたこれらのカードを嫌と言うほど見たことがあると思います。

そして、マーク氏のイラストがどういうものかすぐに連想できるでしょう。










そんなマーク氏ですが、イラストレーターとして有名なエピソードがいくつかあります。

中でも有名なのは、件の 『ネビニラルの円盤』 のイラストについての話でしょう。

ネビニラルの円盤のイラストは、手の上に乗った文字通り 『円盤』 の中から触手のようなものが飛び出している・・・という、まさにマーク氏ならではのデザインであり、カード本体の壊滅的な破壊効果と相なって、当時を代表する邪悪なカードと認識されていました。

これほどのオドロオドロしいカードですが、なんとマーク氏がこのカードの原画の制作に掛かった時間は たったの6時間だった そうです。



6時間というと、絵に関心が無い人からすれば物凄い長時間に思えますが、今のような便利なCG技術やデジタル画像補正技術の無かった当時、アナログでこれだけの絵をしかもたったの6時間で完成させたというのはまさに驚愕です。

マジックのようなカードゲームのイラストは非常に小さい枠に納められていますが、大概の場合それは原画の一部を切り出したものであり、原画はその何倍も大きいのです。

そして、多くの場合そのようなイラストには何週間も原画制作に時間がかかるのが普通です。

スケールが違いますが、ルネッサンス期の頃の彫刻や絵画ような芸術作品が往々にして一つの制作に何ヵ月も場合によっては何年も掛かっていることを考えれば想像に難くないことです。

特に、単純に見えて彫り込みや陰影の非常に深いマーク氏のようなイラストならなおさらです。



この 原画6時間速描きのエピソード は、マジックの開発会社であるウィザーズ・オブ・ザ・コースト社が発行していたマジック専門誌 Duelist (デュエリスト) のインタビューコーナーによって明らかになりました。

まさに、マーク氏の非凡な才能を伺わせるストーリーですね。







その他、補足としてマーク氏はかなりのコーヒー好きとして知られています。

イタリア版のマーク氏を取り上げた紹介サイトによると、氏にとってコーヒーショップは第二のアトリエであり、コーヒーは優れた作品を生み出してくれる原動力なのだそうです。

このあたりのお話が非常に共感がもてるところもあり、私の尊敬するするイラストレーターの一人になっています。

共感が尊敬になるというのは少し変なお話ですが、コーヒーは私にとってもブログなりイラストなりを作るにあたって、必要不可欠な材料なのでその気持ちが嫌と言うほど分かるんですよね・・・

20世紀最高の数学者と言われる ポール・エルデシュ は、自分のことをコーヒーを使ってこう呼んでいました。


「数学者はコーヒーを定理に変える機械だ」


まさにというかなんというか。

コーヒーマニアというか、それを通り越してコーヒードラッカーとでも言うべきか。

コーヒー好きにはたまらない名言です。


私の pixiv における 『イラストレーターとは、コーヒーをイラストに変える機械です』 という自己紹介は、ここから来ています。





・・・っと、なんだかコーヒーの話に話題がまたしても逸れましたが、マーク氏について少し分かって頂けたと思います。

カードゲーム創世記から活躍する氏のようなイラストレーターの方が、今日までのカードゲームの世界観を支えてきて下さったのかと思うと、目頭が少し熱くなりますね。

その他に、私が大好きなマジックのイラストレーターさんと言えば、Time Walk などの時間をモチーフにしたカードで有名な女流イラストレーターの エイミー・ウィーバー氏 (Amy Weber) や、Force of Will や Regrowth , スリヴァーの女王 , ヨーグモスの意志 , ボガーダンの鎚 などなどのイラストで有名な ロン・スペンサー & テレーズ・ニールセン兄妹 (Ron Spencer & Terese Nielsen) などが挙げられます。

ちなみに、Force of Will と Regrowth は妹さんが、スリヴァーの女王 と ヨーグモスの意志 , ボガーダンの鎚 はお兄さんが担当なさっています。

兄妹が共に同じ職場でイラストレーターをしているというのは凄いですねぇ・・・

そして何より凄いのは、お二人が双子の兄妹 だという点でしょうか。

お二人は、シャドウムーアエキスパンションで初の兄妹での合作作品を作って話題にもなりました。


・・・まさに 『マジック』 とでも言うべき奇跡ですね。
















・・・さて、またしてもだらだらと書いてしまいましたが、イラストレーターさんというのは、当然ながら誰しもがそれぞれにそれぞれの自分だけの歴史を持っていて、それを知ることでその人物が生み出す素晴らしいイラストの近隣に触れられるような気がしました。

また次回機会があれば他のお二方やその他の私の好きな絵師さんについて書いてみたいと思います。

今回はこのへんで (〃▽〃)ノシ
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